不動産売却でかかる税金と費用
確認すべき時期と手取り額の計算・特例制度
不動産を売却するときは、いくらで売れるか(成約価格)だけでなく、税金と諸費用を差し引いた「手取り額」がいくら残るかを査定段階で試算しておくことが大切です。契約時・引き渡し時・翌年の確定申告時に分けて、必要な税金・費用の内訳と主な特例制度を解説します。
結論:税金と諸費用は「支払時期」と「利益(譲渡所得)の有無」で整理する
不動産売却にかかる税金と費用は、売却益にかかわらず発生する実費(印紙税・抵当権抹消登記費用・仲介手数料など)と、売却益が出た場合にのみ翌年発生する税金(譲渡所得税・住民税)の2種類に分けて確認します。
※2026年10月30日時点の一般的なスケジュールです。具体的な税額や特例適用の可否は物件の取得経緯や所有期間により異なります。
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査定価格のご提示だけでなく、仲介手数料や登記費用などを差し引いた手取り額の目安もわかりやすくご説明します。
売却時にほぼ共通してかかる税金と諸費用
売却益が出るかどうかにかかわらず、売買契約から引き渡しまでに準備しておきたい主な項目は次のとおりです。多くの費用は売却代金(手付金・残代金)から充当できますが、支払いのタイミングを把握しておきましょう。
仲介手数料(+消費税)
売買が成立した際に不動産会社へ支払う成功報酬です。成約価格(税抜)が400万円超の場合、宅地建物取引業法の上限速算式は「税抜成約価格×3%+6万円+消費税」となります。査定や販売開始時点ではかかりません。
印紙税・登録免許税・司法書士報酬
売買契約書に貼る収入印紙(契約金額に応じた印紙税、軽減措置の適用期限に注意)と、住宅ローンの抵当権抹消登記や住所・氏名変更登記にかかる登録免許税(不動産1個につき1,000円)および司法書士への依頼報酬です。
測量・解体・残置物撤去・引越し費用
土地や戸建てで境界確定測量を行う場合の土地家屋調査士費用、古家解体渡しとする場合の解体工事費、室内の不用品(残置物)処分費、新居への引越し費用など物件状況に応じて発生する費用です。
譲渡所得税・住民税の計算方法と「所有期間5年」の壁
不動産を売って利益が出た場合、給与所得などとは分けて計算する「分離課税」の対象となります。課税される金額(課税譲渡所得金額)は次の式で計算します。
課税譲渡所得金額 = 譲渡価額(売却代金) -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額
- 取得費:購入時の代金(建物部分は所有期間に応じた減価償却費を控除した金額)、購入時の仲介手数料・登記費用・不動産取得税、設備費・改良費など
- 譲渡費用:今回の売却のために直接かかった仲介手数料、売主負担の印紙税、立ち退き料、土地を売るための建物取壊し費用など(維持管理費や固定資産税は含まれません)
- 長期譲渡所得(譲渡した年の1月1日時点で所有期間5年超):合計税率 20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
- 短期譲渡所得(譲渡した年の1月1日時点で所有期間5年以下):合計税率 39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)
ここで最も重要なのが、購入時の売買契約書や領収書(取得費がわかる書類)の有無と、売却する年の1月1日時点での所有期間です。 例えば2021年5月に購入した不動産を2026年6月に売却した場合、満5年は経過していても「2026年1月1日時点」では4年7か月のため短期譲渡所得と判定されます。売り出しや引き渡し時期を決める前に必ず取得日を確認してください。
知っておきたい主な税制特例(マイホーム・相続空き家)
一定要件を満たすマイホーム(居住用財産)や相続した空き家の売却では、税負担を軽減する特例制度が設けられています。いずれも原則として売却した翌年に確定申告を行うことが適用条件です。
居住用財産の3,000万円特別控除
マイホームを売却した際、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることや、親子・夫婦など特別な関係者への売却でないこと等の要件があります。
所有期間10年超の軽減税率・買換え特例
売却した年の1月1日時点でマイホームの所有期間が10年を超えている場合、3,000万円特別控除を適用した後の課税長期譲渡所得(6,000万円以下の部分)の税率が14.21%に軽減される特例や、一定の買換え特例があります(新居で住宅ローン控除を使う場合は併用不可に注意)。
被相続人の居住用財産(空き家)の特例・譲渡損失特例
昭和56年5月31日以前に建築された被相続人ひとり暮らしの家屋等を相続し、耐震リフォームまたは取壊し等を行って期限内に売却した場合の3,000万円特別控除(相続人数3人以上の場合は各2,000万円)や、マイホーム売却で損失が出た場合の損益通算・繰越控除特例もあります。
特に住み替えで新居を購入する際、「売却側で3,000万円特別控除を使うか」「新居側で住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を使うか」は原則としてどちらか一方の選択になります。どちらが有利かは売却益と借入額によって変わるため、契約前にシミュレーションを行いましょう。
査定から確定申告まで失敗しないための4ステップ
- 購入時の売買契約書・領収書と登記事項証明書を探し、取得費と取得日(所有期間)を確認する
- 無料査定を受け、仲介手数料・測量・解体等の譲渡費用を差し引いた手取り額と譲渡損益を試算する
- 住み替えや相続の場合は、3,000万円特別控除と住宅ローン控除の選択、または空き家特例の要件を事前に税務署・税理士へ確認する
- 売買契約・引き渡し完了後、すべての領収書・精算書を保管し、翌年2月〜3月に確定申告を行う
売却手続き全体の流れやエリア別の査定ポイントについては、江戸川区の不動産売却|相場の調べ方と査定価格を見るポイント、江戸川区で相続した不動産を売却する流れ、江戸川区の住み替え|資金計画の立て方もあわせてご覧ください。
確認に使える国税庁・公的機関の情報
本記事は2026年10月30日時点で、次の国税庁タックスアンサー等の公的情報を参照しています。税制改正により適用期限や要件が変更される場合があるため、最新の公式情報をご確認ください。
- 国税庁 タックスアンサー No.3202「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」:譲渡所得の計算式、長期・短期譲渡所得の区分
- 国税庁 タックスアンサー No.3302「マイホームを売ったときの特例」:居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例要件
- 国税庁 タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」:相続空き家の3,000万円(または2,000万円)特別控除の適用要件と期限
- 国税庁 タックスアンサー No.7140「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」:不動産売買契約書にかかる印紙税額と軽減措置
よくある質問
不動産を売却したら、必ず譲渡所得税・住民税がかかりますか?
必ずかかるわけではありません。譲渡所得税・住民税は、売却代金から購入時の取得費(建物は減価償却後)と売却にかかった譲渡費用を差し引いて「利益(譲渡所得)」が出た場合にのみ課税されます。さらにマイホームの3,000万円特別控除などを適用して課税譲渡所得が0円になれば税金は発生しません(特例適用のためには原則として確定申告が必要です)。
購入時の売買契約書が見つからない場合、取得費はどうなりますか?
購入時の契約書や領収書などで実際の取得費を証明できない場合、原則として売却代金の5%を概算取得費として計算することになり、課税対象となる利益が大きく算出されてしまう可能性があります。当時の住宅ローン金銭消費貸借契約書、通帳の履歴、不動産会社の資料などで取得価額を裏付けられる場合もあるため、早めに探し始め、税理士や税務署へ相談してください。
所有期間「5年超」と「5年以下」で税率が大きく変わると聞きましたが、いつ時点を基準にしますか?
実際の購入日から売却日までの満年数ではなく、「売却(引き渡し)した年の1月1日時点」で所有期間が5年を超えているかどうかで判定されます。わずか数か月の引き渡し時期の違いで短期譲渡所得(税率39.63%)か長期譲渡所得(税率20.315%)かが分かれるため、査定段階で取得日と売却予定時期を確認することが重要です。
本記事は2026年10月30日時点の法令・公表情報をもとに一般的な制度概要を解説したものであり、個別具体的な税務相談・税額計算を行うものではありません。 税制特例の適用要件、取得費・譲渡費用の算入可否、確定申告手続きについては、必ず所轄の税務署または税理士へご確認ください。
江戸川区・城東・千葉西部の不動産売却 3つの価格と売却諸費用・期間の早見表
| 項目 | 内容・計算の目安 | 売主様が失敗しないための確認ポイント |
|---|---|---|
| 査定価格・売出価格・成約価格の違い | 査定価格=予想価格/売出価格=募集価格/成約価格=実際の取引成立価格 | 高額な査定額だけで会社を選ばず、江戸川区・城東・千葉西部の近隣成約事例との比較根拠と販売計画を確認 |
| 売却時の仲介手数料(上限) | 成約価格(税抜)×3%+6万円+消費税(400万円超の速算式) | 成功報酬のため査定・相談・販売開始時点では0円。測量・解体・残置物撤去費用の要否も事前確認 |
| その他の主な売却費用 | 印紙税、抵当権抹消登記費用、譲渡所得税・住民税(売却益が出た場合) | マイホームの3,000万円特別控除や所有期間による税率差など、契約前に取得費資料(購入時契約書等)を確認 |
| 査定から引き渡しまでの期間目安 | 査定・準備(約1〜2週間)→ 販売活動(約1〜3か月)→ 契約から決済(約1〜2か月) | 住み替えや相続・ローン残債がある場合は、希望引き渡し日から逆算して売り出し時期を設定 |
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